デジタルサイネージ×デジタルマップによる、リアルタイム連動型の駅空間演出
企画背景
名古屋市では、金山総合駅周辺の都市再整備において、「交通結節点としてのポテンシャルはある一方で、乗換客や来訪者の行動範囲が狭く、回遊性や賑わいが成熟していない」という課題に直面していました。加えて、鉄道により南北に分断された地域間の連携強化も求められており、これらの課題解決を目的に本実証実験が実施されました。
今回の実証実験では、金山駅周辺地区エリアの駅などのスポット(配置3パターン、同時設置最大5カ所)に顔認識カメラ(エッジAIカメラ)付きデジタルサイネージを設置することで、駅利用者のまちへの誘導および地域の回遊性向上につながるかどうかを検証。設置したデジタルサイネージでは、中期的な情報配信と短期的な情報配信を行い、利用者の行動データの調査・分析をしました。
開催期間:2024年7月17日〜8月2日、8月3日、8月4日(7月27日、28日除く)
日数計 :17日
開催目的:顔認識カメラがついたデジタルサイネージを利用し、デジタルコンテンツの情報発信による利用者の行動データの取得・調査を行う
検証内容:デジタルサイネージを設置することで人々は気がつくか、興味を持つか。また駅利用者のまちへの誘導および地域の回遊性向上につながるか。
ターゲット:JR金山駅、名鉄金山駅を下車後、地下鉄金山駅を利用し、名古屋市役所や栄に向かう30-40歳代の子持ちの父と母
・デジタルマップとサイネージ連動で情報発信の即時性を確保
・参加者・地域住民との双方向コミュニケーション強化
・データ取得による来訪者傾向の把握と分析
・駅と地域をつなぐ回遊促進の仕組みづくり
実施内容
1. エッジAIカメラ付きデジタルサイネージ|イベント紹介などのコンテンツ配信
駅構内の複数箇所に顔認識機能付きデジタルサイネージを設置し、イベント紹介などのコンテンツを配信し効果を測定。サイネージを見た対象者の、性別・年代・滞在時間などのデータを取得して来訪者層の分析に活用。配信内容は駅や地域イベントの告知、地域情報など、多様なコンテンツを展開しました。
また、2024年8月3日・8月4日に実施された金山まつりでは、タイムラインシステムによる即時コンテンツ反映も実施。金山まつりイベント会場各所にいるアンバサダーが、その場で撮影した写真とメッセージを瞬時にデジタルサイネージに反映するタイムラインシステムを導入しました。
・エッジAIカメラ付きデジタルサイネージ設置
・スポット情報・周辺情報掲載
・タイムラインシステム構築
・デジタルサイネージ専用Webページ
・データ分析
2. デジタルマップ|GPSトラッカー×生中継によるリアルタイム案内
2024年8月3日・8月4日に実施された金山まつりでは、御神輿の練り歩きをデジタルマップGPSログとYouTube(デジタルサイネージのみ配信)を通じ、現在地の情報をデジタルサイネージ上に表示。来場者がリアルタイムで進行状況を把握できる環境を構築しました。
・スポット情報・御神輿ルート掲載
・GPSトラッキング
・YouTubeライブ配信
3. データ分析|デジタルマップ×動画コンテンツで滞在時間2倍に
デジタルサイネージからの取得したデータや、同時に行ったアンケート調査結果などのデータを分析し、イベント開催時間帯と来訪者数の関係性、サイネージ設置場所ごとの閲覧傾向などを可視化。次回以降の施策改善やプロモーション計画に反映可能となりました。
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